- 上期・下期どっちの方が合格しやすいの?
- 会社で電気工事士2種の資格を取れと言われたけど、上期だけど時間がない。。。
電気工事士2種試験は上期・下期の年2回実施されます。会社で電気工事士2種の資格合格をしなさいといわれた場合、4月などに言われるので、どうしても下期受験になってしまします。でも実は上期の方がいいんじゃないか?と思う方を多いはず。
この記事では単なる試験準備時間メリットだけでなく、合格率から上期・下期のどちらの方が有利かを解説します。これを読むことで、格段に一発合格率が上がるはずです。
基本的には上期の方が合格の面では有利になります。資格取得時期を迷われている方はぜひ上期受験をしてください。
合格率からみると上期が断然有利!
電気工事士2種の合格点が60%以上の試験であり、一定以上の点数を取ればみんなが合格します。平成30年までは上期か下期のどちらかしか応募ができませんでした。しかし、平成30年から上期・下期の両方で試験が受けられるようになっており、受験者は勉強時間を考えながら「上期受験・下期受験」を考えていると思います。
日程の違いで上期・下期に試験の問題傾向、試験難易度に大きな差はないといわれています。
しかし、合格率だけでみると明らかに「上期」の方が合格率が良い良い傾向になっています。過去7年の筆記試験と技能試験の合格率の表です。なお、令和2年は下期しか試験が実施されなかったので、飛ばしています。
試験実施時期 | 上期 (「筆記/技能」順で記載) | 下期 (「筆記/技能」順で記載) |
平成28年 | 65.2% / 74.1% | 46.4% / 71.3% |
平成29年 | 61.0% / 71.3% | 55.6% / 63.4% |
平成30年 | 57.8% / 69.4% | 51.8% / 64.8% |
令和元年 | 70.6% / 67.4% | 58.5% / 62.2% |
令和3年 | 60.4% / 74.2% | 57.7% / 71.1% |
令和4年 | 58.1% / 74.2% | 53.3% / 70.5% |
令和5年 | 59.9% / 73.2% | 58.9% / **.*%(これから発表) |
平均値 | 61.9% / 72.0% | 54.6% / 67.2% |
平均値にすると上期の方が下期より、約5~10%良い合格結果となっているので、明らかに上期受験の方が有利といえます。
過去7年すべて上期の方が合格率がイイね!
本当に上期に受けた方が合格率が高いか、理由を探るために「年代別・受験回数別・職業別」の3種類で見ていきます。
年齢別違いで理由をさぐる
こちらのグラフは一般財団法人電気技術者試験センターはホームページに出している電気技術者試験受験者実態調査です。こちらの表は年齢別受験申込者数をパーセンテージで表しています。
年代別でみると上期は10代が多い傾向だね!2年ともほぼ同じだね!
10代は学生が多いと思いますので、新学期が始まった段階で学校で一斉に申込を行うので、10代は上期がおおいのではないかと思います。
ただし、この10代多さが素直に上期合格が高い理由に結びつきそうにはありません。
職業別違いをさぐる
こちらの表は職業別受験申込者数を現した表です。
学生の受験者数自体は低いけど、5%程度上期の方が申込者数が多いね!
学生の受験者数が多いことが、上期合格が高い理由に結びつきそうにはありません。
受験申込別違いをさぐる
こちらの表は受験申込別の人数を現した表です。
上期も下期も初めての方が圧倒的に多いです。
この表を見ていると毎年4割くらいのヒトは1回目で合格してそうだね!
年齢別・職業別・受験申込別の違いを見てきましたが、上期の合格率が高い理由として直接つながる情報は今のところありそうにないです。ただ、上期の方が学年が変わったり、会社の期が変わったりするので、モチベーションが全体的に高い可能性があります。そのモチベーションが合格率につながっている可能性はあります。
上期受験のメリット・デメリット
「上期」の方が過去5年間でトータル的に見て合格率が高いことはわかりました。ここで再度上期日程をおさらいしておきます。
試験期間(筆記) | 上期:5月下旬 |
試験期間(技能) | 上期:7月中旬~下旬の2日うちどちらか1日 |
受験申込期間 | 上期:3月~4月 |
資格運営サイト (一般)電気技術者試験センター | 詳細を見る |
試験期日をおさらいした状態でメリット・デメリットの解説していきます。
上期受験のメリット
上期受験のメリットは次の通りです。
- 上期試験がダメでもその年度中に再度下期試験が受験できる。
- 資格試験合格の発表が年をまたがず、その年中に合否がわかる。
- 新学年へあがったり会社で年度が変わるので心機一転するということもあり、モチベーションを保ちやすい。
合格発表が年をまたがないのは、気持ち的にソワソワしなくていいよね~。
上期受験のデメリット
上期受験のデメリットは次の通りです。
- 下期では上期での筆記試験や技能試験の情報が出回る可能性があるが、上期試験の場合は確実に情報が出回ることがないので、情報量が若干少なくなる。
- 新学年へあがったり会社で年度が変わるので、4月中は忙しくて勉強する時間が削られる可能性がある。
- 過去、上期の方が筆記試験から技能試験までの時間が下期に比べて短い傾向にある。なので、短期集中で技能試験対策を行う必要がある。
デメリットはあるものの、集中して勉強ができるヒトは上期受験で問題はありません。また、ある程度工具を使いこなしている方であれば、スムーズに技能試験対策ができると思いますので、そのような方も上期受験で問題ありません。
デメリットとしては情報が少ないことであるが、合格率としては圧倒的に「上期」の方が上である。下期受験もできることを考えると上期受験をまず考えた方が良い。
下期受験のメリット・デメリット
上期の合格率は高いことがわかりましたが、下期に受験をするメリットがないかを考えてみます。ここで再度上期日程をおさらいしておきます。
試験期間(筆記) | 下期:10月下旬 |
試験期間(技能) | 下期:12月中旬~下旬の2日うちどちらか1日 |
受験申込期間 | 下期:8月~9月 |
資格運営サイト (一般)電気技術者試験センター | 詳細を見る |
試験期日をおさらいした状態でメリット・デメリットの解説していきます。
下期受験のメリット
下期受験のメリットは次の通りです。
- 下期では上期での筆記試験や技能試験の情報が出回る可能性があるので、その年の問題の傾向を考えることができる。
- 試験内容について、大きく変わるような状態があるのであれば、下期受験が有利になる。
上期受験の情報を取り入れながら、勉強できるのが下期受験の強みだね!
下期受験のデメリット
下期受験のデメリットは次の通りです。
- 下期試験がダメな場合、次の試験は年をまたいでしまうので、評価などに響く場合がある。
- 仕事や勉強が忙しくなり、勉強の時間が取れない可能性がある。
- 上期の合格率が高い場合は、下期は難易度の調整があるといううわさがある。実際にあるかはわからないは、合格率は下期の方が低い。
- 場所によっては受験地が少ない場合がある。
- 過去では下期の方が筆記試験から技能試験までの時間が上期に比べて長いので、途中でモチベーションが下がる可能性がある。
令和3年については筆記試験から技能試験までの間の日数は上期も下期も55日程度と同じようです。ただ、過去の傾向からいくと下期の方が筆記試験から技能試験までの日数が長いようです。なので、工具をあまり使ったことがないヒトは下期がオススメになります。
合格率としては圧倒的に「上期」の方が上ですが、じっくり時間をかけて勉強していきたいヒトは下期受験が良いと思います。
最後に:有利な上期で一発合格を狙おう!
今回の記事のまとめです。
- 試験時期を迷っているなら「上期」の方が合格率は高い。
- 上期、下期の両方試験を受験ができるので、まずは上期から受験をすることをオススメする。
過去5年分上期と下期の合格率をみて明らかに上期の方が合格率が高いです。ほかのブログなどの情報では上期と下期の問題に差はないと言われています。たしかにその通りです。これから先はこの合格率がどうなっていくかはわかりません。しかし、実は過去10年にさかのぼっても同じ傾向です。
上期か下期で迷っているのであれば、合格率が高く、1年の間に2回受験できる上期の方が得な気がするね!
電気工事士の全体像を確認したいならこちらの記事を読んでみてください。