今回は、受信機の説明です。漏電火災警報器は変流器と受信機で基本は成りたっています。受信機は大変重要な要素となります。受信機はこのあと解説していきますが、変流器については前回記事にしておりますので、そちらを見てください。ちなみに変流器は漏電の検出をするのに使います!
消防乙7は漏電火災警報器がメインの試験項目になります。ただ思ったのが、漏電火災警報器の消防設備士は乙7しかないことです!!乙種はたしか整備しかできないということになっています。工事をするのであれば、甲種の資格を持ち合わる必要があるのですが、その甲種の試験がないということはいったい誰が設置するの?ということになります。
ちなみに乙種・甲種について、詳細を知りたい方は下記の記事を参考にしていただければと思います。
では、漏電火災警報器の設置は誰がやるの?という質問の回答ですが、
漏電火災警報器における設置は、電気工事士が行います。なので、消防設備士では乙7のみになっているということになります。設置のための法律は、消防法施行規則第24条の3各項(漏電火災警報器に関する基準)に規定されています。
では、受信機について説明していきます。
受信機について
種類
集合型は、2つ以上の変流器と組合せて使用するして、1組の電源装置や音響装置等で構成されたものになってモノになっています。
問題で、集合型とセレクタが同じ機能か聞かれる問題が多いみたいです」!
セレクタは、「漏電選択装置」のことで、たくさんの回路の回線の中で漏電があった回路を分岐を選択できる装置のこと!
だから、同じ機能ではありません。
構造
零相電流から電気信号を保護部を経由して感度切替部まで行きます。
さらに、そこから増幅部までいき、リレーを動かすだけの電気に増幅させます。
ここから、この電気信号を使って警報やブレーカーやランプなどを作動させます。
受信機の構造としては、次の通りです。
- 電源を表示する装置を設ける必要があり、そのときに、明らかに漏電表示の色とは異なるように色表示しないとダメ。
- 漏電の表示は、変流器から送られてきた電気信号を受け取る場合、赤の表示(仮に遮断されても赤の表示のままつきます!)
- 音も必要で、音響信号によって漏電を自動表示させる(つまり、知らせる!)必要がある!
- 電源については、電源の入力側および受信機から外部の音響装置などに対して、直接的な電力を供給するように構成されている回路については外部回路に短絡(通常電気が通るところとは異なると所を通って地面に電気が通ってしまう状態)が生じても、有効に保護できる措置を備える必要がある。
- 逆に考えると、外部の装置に受信機以外から電力が供給されていると、保護措置の設置は不要となる。
- 感度調整装置以外の調整部については、ケース画面に露出していけない。
- 受信機には変流器の設計出力電圧の2.5倍の電圧を入力端子に与えることができる試験装置が必要。
- 変流器にいたる外部配線の断線の有無を試験できる試験装置が必要となる。
- 手動で簡単に試験ができる必要がある。
- 試験後、定位置に戻す操作を忘れないように適当な方法を設けておく必要がある。
- 集合型は回線ごとの試験が必要となる。
問題1
- 検出増幅部を表示する装置を設けること。
- 受信機の電源出力側には、外部の回路短絡を生じた場合、有効に保護できる措置ができていること。
- 電源入力側および受信機から外部の音響装置表示などに対して間接電力を供給するように構成された回路には、外部回路に短絡が生じても、有効に保護できる措置をとること。
- 感度調整装置以外の調整部は、ケース画面に露出しないこと。
解答1・解説1
- 検出増幅部ではなく、「電源」を表示する装置を設けること、となるので間違い。
- 受信機の電源入力側には、外部回路短絡を生じた場合であっても有効に保護できる措置ができていること、となり出力側ではないので間違い。
- 電源入力側および受信機から外部の音響装置表示などに対して「間接電力ではなく、直接電力」を供給するように構成された回路には、外部の回路に短絡が生じても、有効な保護できる措置をとること、となるので間違い。
- 「感度調整装置以外の調整部は、ケース画面に露出しないこと」は正しい。
よって、解答は「4」となる。
受信機の機能
- 作動および作動しない時間について、公称作動電流値に対応する変流器の設計出力電圧が次の城家です。
- 52%の電圧の場合、30秒以内で作動しない。
- 75%の電圧の場合、1秒以内で作動する。
- 集合型受信機の機能では次のような機能も必要となります。
- 漏洩電流が発生した警戒電路を明確に表示できる装置を設けること。そして、その表示は電路遮断後でも継続して使えること。
- 2つの警戒電路で漏洩電流が発生したとき、漏洩表示および警戒電路の表示をする
- 2つ以上警戒電路で漏洩電流が連続で発生したとき、最大負荷に耐える容量を有すること。
- 電源電圧変動試験の試験基準は受信機の定格電圧の90~110%で変化させたとき、機能に異常があってはならない。
- 過入力電圧試験の条件としては、50V(信号入力回路)の電圧を「変流器のインピーダンスに相当する抵抗」を使って5分間加えた場合に漏電表示(赤ランプなど、人がわかる状態を作る)と機能・構造に異常を生じないことが必要である。
- 繰り返し試験として重要なのは、受信機の定格電圧で1万回の漏電動作をさせたときに、構造・機能に異常を生じてはならない。
問題2
受信機の電源電圧試験変動試験において、電源電圧を受信機の定格電圧の( A )%~( B )%の範囲で変化させた場合、機能に異常が生じないものでなければならない。
- A:75B:110
- A:75B:125
- A:80B:125
- A:90B:110
解答2・解説2
解答は、「4」です。
電源電圧変動試験の試験基準は受信機の定格電圧の90~110%で変化させたとき、機能に異常があってはならないが、正解となります。
設置場所
屋内が基本で、点検が容易である必要があります。
屋外でもいけますが、防水などの防護措置を設けて、点検が容易である必要があります。
屋外と屋内については、受信機は屋内が基本!
変流器は屋外が基本!
全く逆です!!
次は、表示項目ですが、共通部分が最もよく出題されています。
受信機の表示項目
受信機のみの表示事項としては、次の10項目です。
- 漏電火災警報器受信機の文字
- 定格電圧
- 公称作動電流
- 作動入力電圧
- 集合型の場合、警戒電路の数
- 端子板には端子記号と定格電圧・定格電流を記載
- 電源用端子の場合は、端子記号と「交流/直流」の文字が必要
- 部品記号
- スイッチ操作部は、「開」・「閉」の表記と使用方法を明示
- 使用するヒューズのヒューズホルダーには、定格電流を表示
- 接続できる変流器の届出番号の表示
共通の表示項目は次に載っています。
最もよくでます。
また、受信器の音響装置に表示する項目は、次の5項目です。
- 「交流/直流」の表示
- 定格電圧・電流
- 製造年
- 製造者名、または商標
- 極性のある端子は、極性を示す
今回は、以上となります。
1問と問題が少ないかもしれませんが、もっと問題をやりたいのであれば、この問題集がオススメです。
何度も出てきていますが、解説が問題のすぐ下にあるのでわかりやすいし、末巻には防火対象物等の表もまとめられているので、使いやすいです。