設計と言えば「機械設計」や「回路設計」があるけど、設計をやっていく上ではCADや各専門分野の知識さえあれば十分だよね!!
そんなことないよ!
確かにCADや専門知識は重要だよ。
でも、仮設を考えて立てたり、新しいアイデアや方法を生み出すための考える力が重要だよ!
いやいや~考える力はセンスと経験でしょ~。
そんな簡単にできないよ~。
たしかに考える力はそんな簡単に獲得できるものではないよ。
でもセンスではなくてしっかり学べば、誰でも使えるようになるよ!
- どうやって「考える力」どうやって鍛えられるの?!
- でも、本当に考える力の方がCADや専門分より重要なの?
今回は、にんくんのこのような疑問に答えていきます。
- 考える力を身に付けるべき理由がわかります。
- 陳腐化しない考える力の鍛え方がわかります。
私自身も10年、設計の仕事をしています。
にんくんが言っていた通り、私も技術・知識を追い求めていた時がありました。
でも経験を積むと思考の壁にいきついて、そこで感じたのは次のことです。
- CADの操作はある程度できれば設計できる。
- 材料・工学系の知識は必要であるがそれらを使いこなす「考える力」が不足していると結局使い物にならない。
- 考える力は一朝一夕に習得できるものではないので、はやくその重要性に気づいて日ごろから鍛えることを心掛けた方が良い。
今回は「まずは考える力を!」という重要な理由3つとその鍛え方について紹介していきます。
参考にさせていただいている書籍は「まんがでわかる地頭力を鍛える」を参考にしています。
実践も踏まえてマンガでわかりやすく「考える力」を解説していただいています。
では紹介していきます。
設計する力とは「CAD」・「知識」・「経験」
まずは、CADと専門知識についてどんなモノがあるか、まとめておきます。
筐体機械設計で例えると次のようなモノが考えられます。
- CADの技術(2D CAD / 3D CAD)。
- 力学、熱力学、材料力学、流体工学などの機械専門知識。
- アルミ、ステンレス、樹脂などの材料の知識。
- 防水・放熱に関する技術。
- 過去にいくつの製品開発を行ったかの経験。
筐体設計を大きく分けても①~④のことを学ぶ必要です。
「技術」や「知識」を点とすれば、線で結び付けるのが「考える力」です。
次から実際に「考える力」メリット・デメリットを解説したうえで鍛え方まで紹介していきます。
本当に「考える」は必要?メリット・デメリットを解説!
ではさっそくメリット・デメリットを解説していきましょう!
デメリットはズバリ鍛えるのが大変!
はじめにデメリットを伝えておきます。
デメリットは次の3つです。
- 考える力を鍛えるのがそもそも難しい。
- 考える力を鍛えたとしても自分のモノにするの時間がかかる。
- 考える力を身に付けた場合、よく違う行動を迫られるので、他人から良く思われないことがある。
一番大きなデメリットはやはり「考える力」を鍛えることです。
簡単に鍛えることができれば、皆使用しているはずです。
考える力を鍛えるには根気が必要です。
また、仮に考える力を身に付けた場合、「課題・疑問」を出していくことになります。
この「課題・疑問」が他のヒトにとっては他人を否定する異なる行動と思われる可能性があり、良く思われないことがあります。
ヒトの心理として、大勢のヒト異なることをすると排除したがる修正があります。
ただし、このように思うのはごく少数だと思われます。
なぜなら、仕事上で「考える力」を発揮して難題の「課題」を見事解決すれば、一躍魅力あるヒトになるからです。
最初は、良く思われないかもしれませんが、「考える力」は将来的に絶対に必要になりますので、ぜひ身に付けて頂きたいと思います。
次にメリットに移っていきます。
理由1:知識は、ITが発達した時代にでは、すぐに陳腐化するが、考える力は陳腐化しない
情報は次の理由で陳腐化していきます。
- インターネットの普及で最新情報がすぐに入手できるので、今の知識がこの先も役立つとは限らない。
一方で「考える力」今の最新の知識を利用して新しい解決方法を生み出していくので、陳腐化はありません。
逆に知識として頭に入れておいた方がモノはこちらです。
- 繰り返しが多い内容
- 必ず同じ手順で行わないと致命的なミスを犯す内容 など
- 規格・法令など
- 短時間で何度も変わる内容ではないので、自分にとって必要な内容は頭に入れておいた方が、行動に移しやいため。
考える力の基本的知識にもなる。
以上から「考える力」を鍛えた方が良いメリットの1つ目でした。
理由2:自分で考える力が身につくと、解決しないといけない問題を他人任せにしない
考えてモノ事を解決するには大変な労力が必要です。
モノ事を解決する上で「コミュニケーションが必要!」とよく言われますが、この言葉は大変便利な言葉です。
なぜなら、
- コミュニケーションをとれば、誰かが解決策を出してくれる。
- コミュニケーションは大切!言いながら他人から良い解決策がでるのを待つ。
- 誰かが出した解決策をそのまま行い、失敗しても他人のせいにできる。
だからです。
一方でコミュニケーションは大変大切な事でもあります。
自分だけで発想できない内容を、コミュニケーションをとれば出てくる時がある。
コミュニケーションを行い、より高度な問題解決をしていくためには、まずは自分の「考える力」を養う必要があります。
自分の「考える力」を養ったうえでコミュニケーションを行うことは大変タメになります。
よく言われている例えが、「3人集まれば文殊の知恵」だよね!
そうそう!そのことわざの意味は「凡人でも3人集まって相談すれば、思いがけない良いアイデアを出すことができる。」って意味だよね!
この言葉の背景には、「1人で頑張って考えても3人集まって全員で考えれば、良いアイデアをだせる」というのがメインテーマです。
つまり、全員が力を抜かずに考え抜くことが大切になってきます。
なので、「考える力」が必要になってきます。
理由3:自分で考える力が身につけることで今ある情報を使って先を見通すことができる
考える力を身に付ける次のようなことも解決することができます。
- 考える力が身に付いていれば、壁にぶつかってもあきらめずに解決できるようになる。
- 考える力が身に付いていれば、自分の力で乗り越えることができる。
- 考える力が身に付いていれば、「夢・目標」に向かって、実現できる方法を探すことができる。
要するに考える力が身に付いていれば、「今ある情報を使って困難なことから希望あることまで解決することができる。」ということです。
では、実際に「考える力」どうやって鍛えればよいかについて次から紹介していきます。
設計者にとって必要不可欠な考える力とは「自頭力」!
書籍は「まんがでわかる地頭力を鍛える」 の中では、「考える力=自頭力」と定義されています。
自頭力は、コンサルティング業界ではよく使われている言葉のようです。
自頭力を一言で表すと次の言葉となります。
未知の領域に対して最善の答えを出す力である。
自頭力をついて具体的に説明していきます。
自頭力は「全部で5つ+α」の力!
自頭力は全部で5つ+αの構成となります。
+αとは一番の土台ののことであり、「興味/知りたい!(原動力)」が土台となります。
- モノ事を全体でみる力
- 細かいところにとらわれず、後戻りや思い込み、そして誤解を少なくできる。
- 結論からモノ事考える力
- 最終目標へ効率よく進める。
- モノ事を単純化する力
- 少ない知識を様々に応用して新しいアイデアの創造や効率化を飛躍的に図ることができる
- 論理的思考力
- モノ事の筋道を立てる力、つまりラテラルシンキングを使いこなすことができる。
- 直観力
- 斬新な発想力、つまりラテラルシンキングを使いこなすことができる。
これらすべてをマスターすると未来の領域に対して最善の答えを出す力身に付きます。
図でかくと次のようなイメージです。
積み上げが必要で、全ての力が満遍なく必要になってきます。
「モノ事を全体でみる力」・「結論からモノ事考える力」・「モノ事を単純化する力」については、「鍛え方」編を見てもらえれば詳細がわかります。
残るは、「論理的思考力」と「直観力」の鍛え方です。
論理的思考は、ロジカルシンキングの名で良く知られており、日本では有名です。
1つのモノ事を深く掘って考えていく思考です。
論理的思考の鍛え方はこちらの記事にかいていますので、ぜひ読んでみてください。
もう一つが直観力です。
直観力は日本ではあまりなじみがないと思います。
この直観力はラテラルシンキングと呼ばれたりします。
直観は鍛えることができず、センスのかたまり!というのが日本人の多くの方が考えられていることだと思います。
私もその一人です。
ですが、この直観力、実は鍛えることができます。
その鍛え方がこちらの記事にかいていますので、ぜひ読んでみてください。
重要な3つの「自頭力」の鍛え方を解説!
地頭力でもっとも重要な3つの要素の鍛え方を紹介していきます。
①モノ事を全体でみる力
「モノ事を全体でみる力」を身に着けるとどうなるのか?
- 細かいところにとらわれなくなる。
- 全体の優先度を見える化でき、後戻りを少なくすることができる。
- 思い込みや誤解を少なくすることができる。
どうやって身に着ければよいでしょうか?
- マインドマップを使って全体的な内容を先にまとめる練習を行い、今考えている部分が全体のどこか位置するかを見えるようにする。
- 報告書、プレゼン資料の内容をいきなり本番で資料を作成する前にこのマインドマップを使って全体像を確認するようにする。
ずばりこれ!です。
マインドマップを使うことで、これで完璧だ!という「思い込み」や完璧だと思っていた内容に対して「足りない部分」が見えてきます。
実際にこのブログ内容をまとめたときのマインドマップです。
「モノ事を全体でみる力」の説明は全体の黄色矢印の位置に位置しています。
結構深いところに位置していることがわかります。
短い文章で完結に書いていますので、実際に文章にするにはもう少し肉付けが必要ですが、このマインドマップを使うことで、全体の流れの確認が容易になります。
ちなみにマインドマップの書き方や無料ソフトについては次の記事に記載していますので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに、この「モノ事を全体でみる力」をコンサルタント業界では「フレームワーク思考」と呼んでいます。
②結論からモノ事を考える力
「結論からモノ事を考える」クセを身に着けると次ような良いことがあります。
- 最終目標へ向かって効率よく進めるので、寄り道の数が少なくなる。
- 結論から戻りながら仮説を立てていくことで、現状の情報で何がわからないかを可視化できる。
- 結論からあるべき姿を想像することで、課題や疑問が浮かび上がる。
- 現状持っている情報だけで結論からモノ事を考えるので完璧を狙う必要がなくなるので、絶えず動きながら修正してよいモノに仕上げていくことができる。
どうやって身に着ければよいでしょうか?
- 仮説を立てて、課題や疑問を抽出する。このとき、5W2Hで考える。
- 何度も手直しすることを前提やり始める。
- 仕事終盤の手直しは致命的になるので、細かく見直しタイミングを作る。
- はじめから「完璧・完全」を狙らわない。
とくに仮説を考えるときにはじめから「完全・完璧」な考えを目指さないようににてください。
③モノ事を単純化する力
「モノ事を単純化する力」を身に着けることでのメリットは次の通りです。
- 少ない知識を様々に応用して新しいアイデアの創造や効率化を飛躍的に図ることができるようになる。
- 単純化することで課題の本質がみえるようになる。
- 抽象化によって応用がきくようになり、一見異なるものの間に共通点を見つけて、アイデアを広げることができるようになる。
ではどうやって鍛えるのでしょうか?
エレベーターテストで30秒以内に相手にどうしてほしいかまで説明する。
このテストを訓練することによる効果は次の通りです。
- モノ事を考えるときに枝葉を思い切って切り捨てて考えることができるようになる。
- 結論から話し、次に全体像を話したあとに目的を明確にして説明できるようになる。
- まとめる力がつく。
単純化する力は、モノ事の本質がみえ、アイデアを創造して広げることに役立つのでぜひ学んで使えるようにしてください。
ここまでの話の参考書籍はこちらです。
では、次に自頭力のさらなる鍛えるためのツールを紹介していきます。
地頭力をさらに鍛えるためのツールを紹介
今回は、「考える力=地頭力」ということで最も基本的な部分について紹介しました。
さらに地頭力について学びたいかたは次の書籍が頼りになります。
籍タイトル | 地頭を鍛える | いま、すぐはじめる地頭力 | 現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェミル推定ノート | 仮説思考 | 具体と抽象 | アナロジー思考 |
出版社 | 東洋経済新報社 | だいわ文庫 | 東洋経済新報社 | 東洋経済新報社 | dZERO | 東洋経済新報社 |
誰向けの書籍か? | 本格的に地頭を 学びたいヒト | 本格的に地頭力を 学びたいヒト | フェミル推定を 深堀したいヒト | 仮説思考をもう少し 深堀したいヒト | 具体と抽象を身近な事例で解説で学びたいヒト | アナロジー思考による創造的なアイデア抽出を学びたいヒト |
URL (Amazon) | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
合計6冊あります。
どれもマンガより難しいですが、大変勉強になる書籍です。
今回の記事だけでなく、さらに深堀したい方は、一度みてみてください。
最後に:自分で考えてほしい
今回は、初級設計者のための考える力が重要な3つの理由と鍛え方を紹介をしました。
ポイントはこちらです。
- 考える力を身に付けるべき理由は「陳腐化しない」・「問題解決やアイデア出しを他人任せにしない」・「今ある情報からこれから先を見通すことができる」の3つである。
- 地頭力として重要な考え方は、「全体でみる力」・「結論から考える」・「単純化」である。
- 考える力の鍛え方は、「マインドマップ」・「つねにアップデートする」・「エレベーターテスト」である。
地頭力についてはいろいろな書籍も販売されていますので、ぜひ手に取ってじっくり読み込んで実際の仕事に生かしていただきたいと思います。