- 分岐回路の解法ポイントを教えて!
- 分岐回路の問題って毎回出題されているのは本当?
分岐回路は電気工事士2種筆記試験ではほぼ毎回出題されます。ある程度出題の方法が似ているのでオススメの分野です。
この記事では、分岐回路の中の許容電流・電線太さ・コンセントの許容電流のが解法のポイントまとめています。この記事を読むことで、筆記試験対策の計算ポイントをサクッと理解できます。
分岐回路は出題の形式がかなり少ないです。基本さえしっかり理解していれば解ける問題ばかりです。後回しにせず、最初にしっかり理解しましょう。
毎回出題される分岐回路の問題とは?
令和4年(上期「午後」)の1回、令和3年(上期「午後」・下期「午前」)の合計2回、令和2年の2回、令和元年の1回の合計6回の過去問を調べました。結果、かなり出題回数が多い問題です。
出題年度 | 問題番号 | 問題文 | 回答群 | 備考 |
令和4年 (上期午後) | 10 | 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用 遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。 | ||
令和3年 (下期午前) | 10 | 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用 遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。 | ||
令和3年 (上期午後) | 10 | 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用 遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,不適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。 | ||
令和2年 (下期午前) | 10 | 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用 遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。 | ||
令和2年 (下期午後) | 10 | 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用 遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。 | ||
令和元年 (上期) | 10 | 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用 遮断器の定格電流とコンセントの組合せとして、不適切なものは。 |
問題番号までそろっているのは驚いたね!基本的に「適切もの」を選べだけど、3回に1回は「不適切なものは?」と聞かれた問題が出ているみたいだね!
直近4年で毎回出題されている分岐回路の問題。出題方法がほぼ同じなので、確実に1問正解をもぎとりやすい分野です。ぜひ、分岐回路は最短合格するためにもぜひとも取りたい1点です。
分岐回路の必須問題
必須問題に関係する知識を一挙にまとめていきます。
必須問題
問題
低圧屋内配線の分岐回路の設計で、配線用遮断器・分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして、適切なものは。ただし、分岐点から配線用遮断器までは 3 m、配線用遮断器からコンセントまでは 8 mとし、電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また、コンセントは兼用コンセントではないものとする。
選択肢:
解答・解説
解答
- 解答:イの[定格電流30Aのコンセント1個]
解説
分岐回路が絡む問題は、次の表のように配線用遮断器の定格電流、電線の太さ、コンセントの定格電流の組合せによって決まります。
分岐回路の電線の太さを決める許容電流がわかると、その先につけるコンセントの定格電流を決められます。
配線用遮断器の定格電流 | 電線の太さ (軟同線の場合) | 電線の太さ (MIケーブルの場合) | コンセントの定格電流 |
20A | 1.6mm以上 | 1.5mm2以上 (※15A以下の場合は1mm2以上でもよい) | 20A以下 |
30A | 2.6mm(5.5mm2)以上 | 2.5mm2以上 | 20A以上~30A以下 |
40A | 8mm2以上 | 6mm2以上 | 30A以上~40A以下 |
50A | 14mm2以上 | 10mm2以上 | 40A以上~50A以下 |
□の中にBが描かれた記号は、配線用遮断器を示すよ!
それぞれの選択肢を見ていきます。
- イの選択肢
- 30A配線遮断器の分岐回路です。定格電流20Aのコンセントなので接続できます。なので正解です。
- ロの選択肢
- 20A配線遮断器の分岐回路です。定格電流30Aのコンセントが接続できないので、誤りです。
- ハの選択肢
- 30A配線遮断器の分岐回路です。定格電流15Aのコンセントが接続できないので、誤りです。
- ニの選択肢
- 20A配線遮断器の分岐回路です。定格電流30Aのコンセントが接続できないので、誤りです。
表の内容を覚えていれば後は、当てはめていくだけなので簡単に解くことができます。
周辺知識
関連する知識は一緒に暗記した方が覚えやすいので、一気に覚えてしまおう!
1. 分岐回路の過電流遮断器の設置
分岐回路の過電流遮断器の設置は図にすると大変わかりやすいです。
600V以下の低圧分岐回路にはなるが、過電流遮断器および開閉器の設置場所に関する問題もよく出題されます。特に数字と範囲が重要になります。覚えておきましょう!
2. その他問題の出し方例
次の問題も周辺知識だけで十分に解けます。
問題
定格電流30Aの配線用遮断器で保護されている分岐回路の電線(軟同線)の太さと、接続できるコンセントの図記号の組み合わせとして、適切なものは。ただし、コンセントは兼用のコンセントではないものとする。
選択肢
では解説にいきます。
さっそく、前に出てきた表を使います。
配線用遮断器の定格電流 | 電線の太さ (軟同線の場合) | 電線の太さ (MIケーブルの場合) | コンセントの定格電流 |
20A | 1.6mm以上 | 1.5mm2以上 (※15A以下の場合は1mm2以上でもよい) | 20A以下 |
30A | 2.6mm(5.5mm2)以上 | 2.5mm2以上 | 20A以上~30A以下 |
40A | 8mm2以上 | 6mm2以上 | 30A以上~40A以下 |
50A | 14mm2以上 | 10mm2以上 | 40A以上~50A以下 |
それぞれの選択肢を見ていきます。
- イの選択肢
- 表から配線の太さ5.5mm2の場合、コンセントの定格電流は20A以上~30A以下だとわかります。定格電流30Aの配線用遮断器に対して、イの選択肢では定格電流20Aのコンセントを使用しています。許容範囲内なので問題ありません。
- ロの選択肢
- 表から配線の太さ2.6mmの場合、コンセントの定格電流は20A以上~30A以下だとわかります。ロの選択肢では、定格電流15Aのコンセントを使用しています。しかし、今回配線用遮断器の定格電流が30Aです。定格電流15Aのコンセントは接続できません。よって誤りです。
- ハの選択肢
- 表から配線の太さ2.0mmの場合、コンセントの定格電流は20A以下だとわかります。ハの選択肢では、定格電流30Aのコンセントを使用しています。しかし、配線の太さが細いため、定格電流30Aに対して許容範囲外です。よって誤りです。
- ニの選択肢
- 表から配線の太さ8mm2の場合、コンセントの定格電流は30A以上~40A以下だとわかります。ニの選択肢では、定格電流15Aのコンセントを使用しています。しかし、今回配線用遮断器の定格電流が30Aです。定格電流15Aのコンセントは接続できません。よって誤りです。
以上から回答は「イ.断面積5.5mm2以上」となります。
基本の解き方に習えば解けることがわかったね!
問題の出題が変わっても「配線用遮断器・電線太さ・コンセントの定格電流」の3つのキーワードがあれば表を思い出すようにしましょう!
最後に:分岐回路の解法ポイントを押さえて最短合格しよう!
ポイントをまとめておきます。
分岐回路の解法はほぼ同じようなパターンで暗記分野です。ぜひ得点源になるように頑張ってください。
その他に出題傾向が高い問題は次の記事でまとめています。ぜひ読んで効率よく合格を目指してください。
配線用遮断器の定格電流 | 電線の太さ (軟同線の場合) | コンセントの定格電流 |
20A | 1.6mm以上 | 20A以下 |
30A | 2.6mm(5.5mm2)以上 | 20A以上~30A以下 |
40A | 8mm2以上 | 30A以上~40A以下 |
50A | 14mm2以上 | 40A以上~50A以下 |