- 機械系設計の資格ってほとんどがなくても業務に支障がない。もっと、有益な資格はない?
- 仕事でも家でも実践で使える資格はどれ?
- 会社で資格を取れ!と言われるが資格を取るなら役立つ資格を取りたいのだけど、どれがいい?
機械設計をしている上で、資格取得より経験が何より重要です。その上、機械設計に関する資格を取ってもほとんど人事に影響されません。何より、資格取得しても以前と何も変わらずどこにも役に立っていないかと不安にすら思う方もおられるはずです。
この記事では、設計者に本当に役立つ資格情報を紹介します。記事を読むと「どの資格を取得すれば、今後の機械設計者として生かせる」かがわかります。
機械設計の仕事は実績を作りながら、別の役立つ資格を取得することでスキルアップや転職に生かすための情報を手に入れることができます。
有名な機械設計の資格とは?
有名な機械設計に資格は次のとおりです。
- 技術士(機械部門)
- 非常に難易度が高い資格で、機械系技術コンサルタントを目指すならあった方がよい資格。機械業界より建設業界の方が需要がある。
- 機械設計技術者
- 材料力学・熱工学など機械系専門に関する能力を正確に評価する資格。一部の企業では採用・昇進といった人事に使われることがあるが、日本では少ない。
- CAD利用技術者検定
- CADシステムの概要や基本機能など、CAD全般の知識と製図が出題される。CADに関する資格。設計実績を持っているヒトは多くても、この資格を取得しているヒトはあまり見かけない。
私も10年間、構造設計を中心に日々仕事をしていますが、機械系の資格を1つも持っておりません。でも仕事はできていますし、資格は別のものを持っています。その別の資格が会社では重宝されています。本業の構造設計は製品を開発した実績や特許が評価対象になっています。
「役立つ資格」とは?
「役立つ資格」とはどういった資格のことでしょうか?
この記事でいう「役立つ資格」とは次のことを指します。
- 資格を持っているだけで優位に立てる資格のこと。例えば、「弁護士・電気工事士・電気工事施工管理技士・会計士」などである。
- 日常的に使え、応用が利く資格こと。例えば、「TOEICは仕事の評価アップに使えて、日常英会話にも使える」、「簿記であれば会社の決算を読み解ける。その一方で、家計簿をつける手助けにもなる」などである。
ただ単純にその専門分野にのみ効力を発揮するだけでなく、広く応用が利く資格もここでは「役立つ資格」と定義しています。
役立つ資格に合格するにはそれなりに勉強が必要だけど、取得すれば大きな武器になりそうだね!
本当に役立つ資格4選
では、「役立つ資格」の具体的資格はどれしょうか?今回は次の4つを解説していきます。
- 電気工事士
- QC検定
- 簿記
- TOEIC
電気工事士
電気工事の定義は次のとおりです。(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター)
ビル、工場、商店街、一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のあるヒトでなければ、電気工事を行っていけないことが、法令で決まっています。この工事をできる資格があるヒトを電気工事士といいます。
電気工事の資格には第一種と第二種があります。
- 第一種 電気工事士
- 第二種の範囲と最大電力500kW未満の工場、ビルなどの工事をすることができます。
- 第二種 電気工事士
- 一般住宅や店舗などの600V以下で受電する設備の工事をすることができます。
この資格が役立つ理由は、次の2点です。
- 資格を持っているだけで一般住宅・工場などの電気工事ができる。電気工事ができるヒトは法令で決まっているので住宅・工場がある間はずっと需要がある。
- 家のコンセントなどの交換は電気工事士の資格が必要となる。無資格で電気工事をすると違反として「3万円以下の罰金、または3か月以下の懲役」となる場合がある。この資格があると家のDIYの幅が広がる。
電気工事を専門で行うヒト以外は「第二種電気工事士」で十分だよ!
第二種の勉強方法は、過去問や通信教育を使えば十分に合格できます。合格率も平均で60%程度なので、難易度は普通といえます。
過去問の使い方は、「 【過去問で実力判定するな!】過去問の使い時・使い方を3つにまとめて徹底解説! 」を読んでいただければどのタイミングで過去問を使えばわかるようになると思います。
また、電気工事士の試験は「筆記試験」と「技能試験」があります。筆記試験は過去問で、技能試験は次の通信講座でしっかり実練習をしていただければ合格することができます。
電気工事士第二種の情報決定版!
QC検定
QC検定とは品質管理検定と呼ばれ、品質管理に関する知識をどの程度持っているかを客観的に評価を行う試験となります。
QC検定は1~4級に分かれています。
- 1級を持っていると企業の中でも深く品質管理に携わっている証明となります。合格率はおよそ6%と高難易度の試験です。
- 2級を持っていると小集団活動のリーダーの役割を担えるレベルの証明となります。合格率はおよそ20%と合格率は低めの水準です。
- 3級は品質に関する基本知識を有しているレベルの証明となります。合格率はおおよそ50%なので、難易度しては普通レベルです。
- 4級はこれから品質管理について学んでいく方のためのレベルとなります。合格率はおおよそ80%なので簡単なレベルです。
特にライン工場では、不具合などの管理に品質管理項目として、不具合を出す工程かどうかなどを数値で測定して、毎日管理しています。
機械設計者であれば、2級まで取得できていれば十分だよ。
1級は品質管理を専門に扱っているヒトだと思ってもらったらいいよ!
この資格が役立つ理由は次のとおりです。
- 日本の企業は「品質が高い」と言われている。その影響もあってか、各企業がQC検定取得を採用や昇進の条件としている企業が多い。
- 品質管理の基本である「QC7つ道具」の試験の勉強をしながら実践に近い形で学ぶことができる。試験内容で例が多く、かなり実践に近い形の問題形式になっているので、たんなる知識だけでは解けない問題が多い。
勉強法としては、3級は確実に「過去問を使っての独学」で十分に合格できます。
2級は、独学でも合格できますが、通信教育「技術講座専門のJTEX」などを使って勉強した方が効率が良いと思います。かなり質問がでてきますので、質問を聞ける場を持っておいた方が良いです。
利用企業数6,000社以上、受講者総数は200万人を超える実績!
簿記
簿記とは、簡単にいうと「お金やものの出入りを記録するための方法」であり、日々取引を帳簿に記入して最終的には決算書を作成する一連の作業のことをいいます。
詳しくは「【構造設計者も簿記知識は必要?!】簿記が役立つ3つの理由とオススメ学習法の紹介」に記載していますが、設計者も簿記知識は必要です。
必要な理由は次の通りです。
- 自分の会社がどのように利益をあげたか、財産がどの程度あるかを知ることができる。
- 材料などを加工してくれる協力業者の財政状況を読み解くことができ、今後も安心して付き合えるかどうかを把握できる。
- 設計者が開発した際の材料費(直接原価)が利益に対してどの程度を占めているかを読み取ることができ、コストダウンなどのネタを考えるときに使うことができる。
簿記を学ぶことでお金に対する意識が変わります。
これは家でも同じです。固定費・変動費は家計の中でも変わらず出てきます。これらを把握することで、不要な部分をカットして家計を少しでも楽にできれば、生活にゆとりができます。簿記は企業だけでなく、家計にも影響を与えます。
通信教育名 | スタディサプリ | スタディング | クレアール | ユーキャン | フォーサイト |
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写真 (ロゴなど) | |||||
価格 | 月額 2,178円(税込) | 3,850円(税込) | 16,000円(税込) | 月々3,300円(税込)×12回 =39,600円(税込) | 16,800円(税込) |
教材 | アプリ 動画配信(41単元) PDFによるテキスト (講義内容、演習、過去問) | ガイダンス 基本講座(ビデオ・音声:19単元) WEBテキスト スマート問題集 19回 全182問 実戦力UPテスト 5回 解法講義付き(各20~30分) 検定対策模試 | 3級商業簿記テキスト 3級商業簿記問題集 3級直前答練(問題・解答解説) 3級公開模試(問題・解答解説) 動画配信(63単元) | テキスト3冊 本試験対策トレーニング 一問一答集 ラストスパート問題集 添削課題集 勘定科目ルール表 ガイドブック 添削関連書類 | テキスト 1冊 問題集 1冊 解答・解説集 1冊 解答用紙集 1冊 模擬試験 1回分 動画配信 確認テスト 合格カード |
無料体験 | 14日間アリ 全講座視聴 | アリ 初回の視聴 | アリ 初回の視聴 | ナシ | ナシ |
質問の可否 | ナシ | ナシ | アリ 無制限 | アリ 1日3問 | アリ 無料メール質問 5回 |
合格時・不合格時 の対応 | ナシ | ナシ | 不合格でも1年間は 受講継続可能 | ナシ | 合格すれば Amazonギフトカード |
講座開講・実施時期 | 決まっていない 自由 | 受講後1年 | 受講後1年 | 受講後1年 | 1月・4月・9月の 年3回 |
知名度 | |||||
市販問題集 との併用の必要性 | 市販過去問題集の 購入が必要 | 特に不要 | 特に不要 | 特に不要 | 市販過去問題集の 購入が必要 |
URL | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
簿記を学んで会社でも家でもお金に強くなろう!
TOEIC
やはり英語です。ここでは資格ということでTOEICを挙げています。
TOEICが使える資格という理由はズバリ次の通りです。
- 採用・転職・昇進・昇格の際にTOEICの点数が使われることが多い。また奨励金として支払われている企業も多い。
- 海外に拠点がある企業ではメール・会話で英語が使われることが多く、TOEICの勉強が生きる。
企業にとって英語の位置づけが高いのは次のグラフで明白です。
そして、企業が採用・転職そして昇進・昇格にいたるまでTOEICを使用しているのも明白です。
- 採用活動では新卒採用で5割超、中途採用にいたっては6割近いかたちでTOEICのテストを何らかの形で採用にいかしている。
- 昇進・昇格についても4割~5割程度はTOEICのテストを要件、もしくは参考にしている企業がある。
TOEICの点数を見ると、採用・昇進・昇格のための基準点数はいずれも500点は超えているみたいだよ。まずは500点を目標にする必要があるね。
TOEICの勉強する方法は「TOEIC 公式教材・問題集」はもちろんやるべきです。ただし、技術系の方は英語を苦手にしているヒトが多いので、「スタディサプリ ENGLISH まずは無料体験!」からはじめられるのがよいです。
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スタディサプリENGLISHの講師は大学受験予備校講師として有名な関講師です。論理的で暗記をできる限り少なくして解説してくれるので技術系の方にはピッタリの講師です。
ぜひ、転職・昇進・昇格に有利に働くようにTOEICの点数をアップを考えてみてください。
機械系資格に魅力がないのはなぜ?
機械系資格に魅力がない理由として、次の2つをあげます。
- 認知度が低く人事評価に影響されにくい
- 機械系の資格は電気系や建築系と異なり、資格としてあまり認知されていない。だから人事評価にも反映しづらく、結果とし資格が評価に影響されにくい。
- 機械系設計は実績を重要視する
- 機械系資格の合格だけでは、そのヒトが実際にどの程度できるか把握しづらい。知識だけ持っており、実践では使えない状況では技術者としては使えないので、どうしても実績を重視する。
また、機械設計の場合、資格がなくても設計をできるヒトが多く、必ずしも資格を必要としない。
機械の資格の受験者数は特に低いです。
- 電気工事士2種の受験者数がおおよそ9万人。
- 機械設計技術者はもっとも多い受験者数である3級でも2000人ほどである。
この圧倒的な数の差がそのまま認知度に響いており、人事評価もそこまでアップできない理由の1つです。
ぜひ、機械系資格以外にも役立つ資格に挑戦をして仕事に幅をもってほしいと思います。
最後に:役立つ資格を取得してスキルアップを行おう!
- 機械系資格意外の役立つ資格は、「電気工事士、簿記、QC検定、TOEIC」である。
- 機械系資格は、認知度が低くく役立つ資格は少ないが、実績を積むことで「転職・昇進・昇進」には役立つ。
今回の記事を参考にぜひ役立つ資格を取得して「転職・昇進・昇格」のステップアップに使ってもらたらと思います。