- 構造設計者は、CADで製品・部材を設計できれば良いんじゃないの?
- 構造設計をやる上で、色々な知識・技術が必要と言われるけど何から始めればよい?
- 構造設計者としてCADはできるけど、ほかに必要な知識・技術がないか知りたい。
構造設計をしていく上で、CADでバリバリ設計できる方は多いと思います。でも設計レビュー(DR)を受けるときに色々な知識・技術が不足しており、上司・先輩方に指摘を受けるヒトが少なくないはずです。
この記事では初級~中級構造設計者に向けて、本当に必要な構造設計の知識・技術を解説します。記事を読めば、構造設計を今後していく上でCAD技術以外に本当に身に着けるべき知識・技術がわかります。
構造設計者が必要な知識・技術とは・・・
構造設計に必要な知識・技術とは、各お客様に対して最適解を出すアイデア・思考を行うためのツールです。そのツールとは「材料・強度・コスト・デザイン・CAD操作」などの知識・技術です。
構造設計者が必要な知識・技術5選
構造設計者はCADだけマスターすればよいわけでないです。構造設計に必要な知識・技術は次の5つであり、どれが欠けてもよい設計者にはなれません。
- 設計企画
- コスト
- 構造設計
- 品質
- 構造設計以外の知識・技術
設計企画に関わる知識・技術
設計企画は、構造設計者はとても重要でありオススメです。なぜなら、新しい技術を最もよく知っているのが設計者であり、売れる製品に仕上げるのも設計者だからです設計企画に関して、ぜひ理解してほしい知識・技術として、次の2つです。
- 開発設計書
- UX(UserExperience)
どちらも日本人設計者は弱いと言われていますので、ぜひ理解して使えるようにしてください。
>>【構造設計者こそ企画力は必須能力!】企画力向上をオススメする3つの理由を紹介
開発設計書
開発企画書と聞くとどのような内容を思い浮かべますか?
- 開発背景
- 目標コスト
- 目標スペック
- 競合他社調査
- 開発スケジュール
- 勝ち方など
開発から販売までの戦略をたてて、新規製品の勝ち方を考えた資料が企画書です。大手企業では「企画部」と言われる部署が専属して作成する場合が多いです。
では、開発設計書とは何でしょうか?
開発設計書とは、「開発製品をどうやって作るのか?」を文字や簡単な図を使って説明している資料のことです。
例えば次のような内容を記載します。
- お客様の要求を明確にする。要求は「使用場所、使用対象者、コスト、スケジュール、品質」などである。(使用目的の明確化)
- 要求がわかれば、「材料・強度・操作・コスト」など基本構造を考える。(設計思想)
- 基本を構造を考えた上でお客様の要求に合致させるために優先順位を決定する。(設計思想の優先順の決定)
- 設計課題を明確にする。
- 「なぜ、その部材を選択したのか?」といった設計根拠を記載する。
よく目標スペックや目標コストについては、記載されているものがあります。でも設計書は「これから製品をつくるにはどうすればよいか?」といった資料です。なので、目標スペックやコストだけが書かれていてもどんな製品を作ればよいかわかりません。
どう考えて設計していくかまで含めて設計書を作っていく必要があります。設計するための「手順書」といった方がわかりやすいかもしれません。
開発設計書を作成するポイント
開発設計書とは、開発製品をどうやって作るのか?を示した資料である。
目標スペックやコストだけを記載するのではなく、お客様の要求に応じて「使用目的の明確化・設計思想・優先順位・課題」を細かく記載する。
この設計書を書くのが、日本人設計者は苦手なようです。理由は次のとおりです。ここでいう設計者とは、構造設計者を指します。
- 設計以外の仕事が多く、開発製品について考える時間がない。
- 考える時間が無くなったので、CADでモデルのみ作成し、文章に記録する文化が薄い。
- 試作を作って考える習慣が多く、机上でシミュレーションする技術が少ない。
- お客様の要望に応える設計が多く、構造設計者自ら考える習慣がない
日本人は書面による承認文化がありません。良くも悪くも口頭文化です。設計書が不十分なままでもお客様に承認さえされてしまえば、製品を世の中に出すことができます。でも設計根拠が記録されないまま、開発が終了するので時間がたつと経歴を追えない悪循環が待っています。
さらにもっと詳しい開発設計について知りたい場合は、次の書籍がオススメです。設計というと材料工学など工学関係の書籍が多い中、「設計書」にフォーカスしている書籍です。テンポがよく、書籍に慣れていないヒトでも大変読みやすい内容になっています。
こんな製品を開発します!といった証拠やお客様の要望に満足する製品を開発するためにも「開発設計書」は構造設計者にとって必要不可欠な知識です。
UX
UXとは、「ユーザーエクスペリエンス」の略です。wikipedia上の意味は「システムとの出会いに由来してユーザーが得る経験。ユーザー経験やユーザー体験ともいう。」と記載されている(出典:wikipedia)
これを製造やサービスにおきかえると、次のように考えることができる。
ユーザーがうれしいと感じる体験となるように製品やサービスを企画の段階から理想のユーザー体験を目標に設計を行う取り組みである。(出典:製造業のUX [書籍])
UXのはじまりは、アマゾンにあると言われている。例えば、ネット・ショップでの1クリックで簡単に商品を選択し、配達までしてもらえるサービスである。まさに今情勢を考えれば画期的な仕組みを構築したと思います。
この他にもUXはIT業界ではドンドン取り入れられていると言われています。アマゾン以外にgoogleやアップルもUXを取り入れているようです。つまり米国IT企業が牽引しています。
一方で日本は、自動車業界が少しずつ取り入れているようです。例として、デンソーがソフトウェア開発のキーとして「UX」を考えているようです。しかし、まだまだUXの普及は米国企業に比べると遅いようです。
ではなぜ、いまUXに注目が集まっているのでしょうか?理由は次のとおりです。
- 売れる製品・サービスは「ユーザーの声」からではわからず、ユーザーの体験に隠れている。
- 良い製品が売れる時代ではなく、良い体験ができる製品がユーザーにとって満足度が高い傾向にある。
- 良い製品だけでは差別化が難しく、そこにユーザーの体験を盛り込むことで差別化する時代に入っている。
以上から、売れる製品を開発していくためにはUXが欠かせない知識となってきます。
もっと詳細を知りたいかたは次の記事、通信教育もしくは書籍がオススメです。まさに製造業に特化したUXの話が書かれています。UXを元に企画書の書き方を学ぶことができます。
ターゲットに愛されるサービスを作るために!
>>売れる製品を企画・開発するUX手法を3つ解説!【ユーザーの体験をアイデアにせよ!】
UXの知識と取り入れることで、ユーザーがまだ見ぬ世界に引きずり込む製品開発ができる。それはまさにヒット商品となる。
QFD
QFDとは、Quality Function Deploymentの略で、「品質機能展開」と呼ばれています。日本人が1960年代に作った「設計段階から品質を向上させる」手法です。特徴は次のとおりです。
- 二元表といわれるマトリクスを使って顧客の要求と自社の品質を結びつける。
- 品質目標を明確化できる。
- 評価モレをなくせる。
- 設計の意図を製造工程まで展開することができる。
ユーザーの要求(左側)と品質要求(上側)のマトリクスを記載。必要項目に「○・△・×」や「1~5の点数」をつけることで製品の要求仕様に対する品質項目の見える化をします。
QFDを実施することで、ユーザーの要求に応える商品コンセプトが見える化できます。さらにこのコンセプトは製造や品質などといった各工程で何をすべきか、課題やリスクを浮き彫りにしてくれます。
QFDは、設計企画の段階でヒット商品を生み出すきっかけを与えてくれるツールです。
コストに関わる知識・技術
コストに関して理解してほしい知識・技術は次の2点です。
- 材料見積力
- コストダウン技術
開発段階で、「品質9割、コスト8割」が決まると言われていますので、ぜひ知識・技術を学んでください。
材料見積力
材料見積力とは、設計段階で精度の高い見積を計算する技術です。
材料の見積を行う場合、3D図面、または2D図面を作成します。そのデータや図面を材料を加工してもらう企業に見積依頼をすることが多いと思います。
しかし、見積を依頼すると1~2日で見積が返ってくるとは少なく、1週間程度かかることが多いです。見積依頼だけで1週間程度かかると以下のような問題がでてきます。
- 見積依頼している間、開発がストップしてしまう。
- 1週間かかってでてきた見積回答が想定と大きく離れていた場合、再設計をおこなうが、また見積に1週間の時間を要してなかなか開発が進まない。
- コストダウンや強度アップのための加工法をすぐにコストに反映することができない。
この問題を解決するには、部材の概算コスト計算です。計算式は、次のとおりです。
部品費用 = 材料費 + 加工費
実際には、部品費用には物流費、管理費なども含んできます。しかし、ここでは設計時の純粋な部品費用のみを考えます。物流費や管理費などは、各協力業者によって異なってくるので、設計段階では制御できないからです。
その代わりに材料費や加工費は設計側で制御できます。例えば、次のような内容に注意するだけでもコストを安くでき、設計側で制御することができます。
- 強度が不要なところであれば、材料単価が安い材料を使用する。
- 材料に塗装が必要があり、防水性能が不要であれば色がすでに施されている材料を使用する。
- 加工費であれば、公差を厳しく設ける必要がないところは、はじめから公差範囲を緩めておく。
- 板厚が「厚い」のにも関わらず、複雑なS曲げが何度もあるような加工法をやめておく。
設計段階で見積ができる技術を磨くことで次のメリットがあります。
コストを把握する時間短縮できるうえに、コストダウンや強度アップの変更をリアルにコストとして反映させることもできる。
より詳しく材料見積力について学びたい方は、次の書籍がオススメです。講座や通信教育もありますが、費用対効果や内容のわかりやすさを考えると書籍が良いです。
機械設計コンサルタントを行っている方が書いた書籍です。硬い文章ではないので、非常に読みやすく、材料見積を実践で行うための方法がたくさん記載されており、大変わかりやすいです。
- メリット
- 硬い文章ではないので、非常に読みやすい。材料見積を実践で行うための方法がたくさん記載されており、大変わかりやすい。
- デメリット
- 前から読み進める分にはわかりやすいですが、ピンポイントでほしい情報のみ読む場合、少し読みにくい。
コストダウン技術
コストダウンには技術が必要って知っていますか?このように質問すると、
- 材料変更すれば簡単にコストダウンできるから、技術って何かある?
- 材料費をコストダウンするなら、材料の量を減らせばいいのだから軽くすればコストダウンできるよね?
このような回答が聞こえてきそうです。
私自身もよく「材料変更」をしてコストダウンしていましたが、そこには落とし穴がありまた。それは、お客様にとって必要な機能まで落としてしまうことです。例えば、強度不足や腐食による劣化などによるクレームです。
では、コストダウン技術とはどのような方法があるのでしょうか?理解してほしいコストダウン技術は次の2点。
- 品質とコストのバランスをとる手法(出典:ついてきなぁ!品質とコストを両立させる「超低コスト化設計法」[書籍])
- VEを含めた製品を機能別に分割したコストダウン手法(出典:製造業のUX[書籍])
品質とコストバランスをとる手法とは、「製品のある1つの数値(製品質量、体積など)とコストの関係を数学的計算で見える化する手法」です。
コストだけに着目するだけでなく、数学的予想が入るので少し複雑な手法です。何度も実践して経験を積む必要はあります。
ただし、材料変更以外に本当にコストダウンをしてよい材料が浮き彫りになりますので、使いこなせるようになれば必ず武器になります。
詳しくは書籍を読んでみてください。コストバランス法をExcelの体験できますので、かなりわかりやすいです。
もう一つは、VE関連。 「VEを含めた製品を機能別に分割したコストダウン手法 」です。
この手法の特徴は次の点です。
- 製品の部材を1つ1つを機能で考えることができる。例えば、「蓋は本体を開閉・密閉する」である。
- お客様目線にたった価値あるコストダウンを目指すことができる。
製品を機能で考えることで、1つ1つの部材の本当の使い方を浮き彫りにすることができます。そして、お客様にとって本当に必要な部材(機能)かどうかをシンプルに協議することができます。
なぜなぜ分析のように因果関係を考えながら、本当に必要な部材のみを選定できるようになります。この機能を用いたコストダウンは次のような形で進められます。(参考書籍:>> 製造業UX )
- 不要な機能は、部材ごとを外すことでコストダウンができないか考える。
- 必要な機能は、代替機能を持った部材に変えることでコストダウンができないか考える。
構造設計に関わる知識・技術
構造設計者であれば、誰もが1度は耳にするワードだと思います。次の内容はどれも構造設計にとって重要な項目です。
- 機械系式
- FMEA
- 特許
- CAD
- シミュレーション技術
番外編として、ITが進んでいる現在注目をあびている「自動化技術」についても解説します。
機械系知識
構造設計を行う上で必要な機械系知識は次のとおりです。
- 材料力学
- 構造の強度設計をするのに使います。強度設計に必要な主なパラメータとしては、「引張強さ・降伏点・密度」などです。
>> 実務で使える金属材料(照明設計中心) - 塗装・表面処理の知識
- 塗装は「メラミン塗装・アクリル塗装・ウレタン塗装」など。表面処理は「アルマイト・メッキ」など。金属などの筐体の腐食を防止するために表面処理をする。屋外・屋内、海の付近など使用場所によって処理方法を変える必要があるので、知識として知っておくべき。
- 流体力学・熱力学
- パイプに流れる水の状態を考えたり、電子部品を筐体の中にいれたときの電子部品の温度分布を考えるときに使う。知識として持っていれば、単なる構造設計者より転職で有利に戦える。
- 安全率
- 使用環境によって想定される外力が変わってくるので、構造の余裕度を設計時にあらかじめ持たせる必要がある。余裕度を持たせておかないと想定外の外力が少しでも加わっただけで材料が破損してしまう。
- 材料に関する基礎知識
- 板金の標準加工サイズ、入手性、各材料の特徴・材料の記号などを知る必要があります。知って置かないと、入手困難のため、コストアップにつながったり、コストアップの要因になったりする。
構造設計者であれば、どれも基本的な内容なので、基礎的な知識については押さえておく必要があります。
また、機械設計者のヒトであればほとんどの方が購入して愛用している書籍があります。
材料からねじの寸法・力学計算式など機械設計を行う上での基本知識がすべて記載されています。発行から60年とかなり長い歴史があるので、持っておいた方がよい本です。
実務に使えるところをあえて抜粋して記事にしています!
書籍以外で役に立つと思った内容しては、次のサイトです。
機械系知識を基礎から学ぶには「MONO塾」がオススメです。設計者目線にたったわかりやすいe-ラーニング(有料)から無料のテキストまで用意されています。会員登録は無料なので登録までやっておくことをおすすめします。
FMEA
FEMAの正式名称は、「Failure Mode and Effect Analysis(故障モード影響解析)」です。
製品の故障・不具合を設計段階から取り除く手法です。なので、故障・不具合を設計段階から想定する必要があります。
FEMAに使われる主な項目は下記のとおりです。もっと細かい項目がありますが、まずFMEAを理解し、使えるようになる必要があります。
- 故障モード
- 故障・不具合の現象。トラブルの名称と読み替えればわかりやすい。例えば「ルーバーの割れ」、「ばねフックの外れ」などである。
- 故障の原因
- 故障モードが生じた原因。例えば、ルーバーの割れであれば「部品破損や変形」、ばねフックの外れであれば「設計不良、部品不良」などである。
- 発生の分析・評価
- 故障モードがどれくらいの頻度で生じるかを5段階や10段階で見積もる。一般的には10段階で見積もることが多い。例えば、「週一回以上なら4点」、「年間一回も生じないなら1点」などである。数値が大きいほど故障モードが頻繁に生じる。
- 影響の分析・評価
- 故障モードが発生したときにお客様に起こり得る被害の大きさのこと。人命に関わる場合は10、まったく被害は起きない場合は1など、被害の大きさが大きいほど数値が上がっていく。影響についても5段階や10段階評価を用いる。
- 検出(検知)の分析・評価
- 故障モードをどのくらいの確率で検出できるかを示す指標。例えば、「ねじ外れの故障モードがあったときに組立現場での検出率70%であれば5の評価」といった形で評価する。検出率が落ちれば評価指数は高い(9や10など)。検出についても 5段階や10段階評価を用いる。
- RPNの分析・評価
- RPNはRisk Priority Numberの略で、危険優先指数とよぶ。算出方法は、「発生×影響×検出」である。高得点になる項目ほどリスクがたかいので、設計措置を行う必要がある。「発生・影響・検出」の各項目が10段階評価の場合、設計措置を行った方がよいRPNは100以上とされている。
この5項目を把握した上で、RPNの評価から設計目線での改善案を出していくのが、FMEAの基本となります。
構造設計を行う上で、このFMEAはかなり重要だよ。使いこなせれば、品質は間違いなくあがるよ!より詳しくFMEAを学びたい方は、【 >> ついてきなぁ! 設計トラブル潰しに「匠の道具」を使え! 國井良昌 】がオススメだよ!
FMEAを使って、故障・不具合を設計段階から未然に防ぐことによって品質が高い製品が生まれやすくなる。何度もFMEAを回してリスクを下げる努力が必要である。
特許
構造設計に関わらず、電気分野でも化学分野でも新しい技術を開発した場合、必要になるのが、特許です。特許とは新しい開発品、つまり発明品を他人奪われないように保護するための権利です。
ここでいう発明とは下記のとおりです。発明であれば何でも良いということではありません。
産業上利用可能、かつ自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、高度のもをいう。(出典:日本弁理士会)
特許としてふさわしいかどうか、判断する場所として日本では特許庁が行っております。
特許には4種類の項目があります。4種類の総称を「知的財産権」とよび、その中でもっとも有名な特許権を使ってよく「特許」と呼ばれていたりします。
- 特許権
- もっともポピュラー権利。いわゆる発明品であり、各企業がこぞって出願している。権利期間は出願から20年。20年たてば権利は消える。
- 実用新案権
- アイデア同士を組み合わせて特許権程高度ではない、小発明。 権利期間は 出願から10年。最近多くは出願されていない。 10年たてば権利は消える。
- 意匠権
- 発明ではなく、モノ・建築物のデザインを保護。 権利期間は 出願から25年。 25年たてば権利は消える。
- 商標権
- 自分たちが持っている商品やサービスを他の商品・サービスと区別するための文字・マーク・記号を保護。 権利期間は登録から10年。ただし、10年ごとに更新ができる。
他に音楽・文芸などの創作された著作物を保護する「著作権」もあります。
構造設計者なら新しい商品を開発する場合、自分たちが有利にたてるように「特許」の基本知識を学んだ方がいいよ。で、特許を意識しながら設計するといいよね!
新しい発明をした場合、その発明内容を守るために権利を主張しますが、その権利の主張が正しいかどうかを判定する必要があります。それが日本では「特許庁」です。特許庁に発明品に対して出願し、その内容に問題がなければ特許して認められ、公開されます。
特許を公開する理由としては、「ある発明が特許の形で認めたから気を付けてください」という警告の意味からです。
出願は、簡単にいうと特許を出すのに作成した資料を出すことです。この資料は構造設計者自ら作成するパターンと、弁理士という特許出願を代行してくれる職業の方に依頼するパターンがあります。
会社に入っていれば通常は、弁理士に頼むことが多いです。なぜなら、特許に関する用語や文書の書き方がかなり独特で通常の設計者ではなかなかかけないからです。
弁理士は難しい特許用語や文章を書くためのトレーニングを積んでいるだけでなく、弁理士試験という超難しい試験に合格もしている特許に関するスペシャリストです。
特許を出願するなら弁理士に依頼した方が断然よい。出願資料を作成するための時間を使って1つでも多く特許となる技術を創出した方がよい。
より詳しく特許について学ぶには本がオススメです。ネットにも多数の特許に関わる情報がでていますが、内容の取捨選択をする必要があります。本であれば読みやすい本のみ選べば、ある程度権威性がある方が本を書いておられるので、信頼・安心感があります。
「モノづくりのための特許の基礎知識」もオススメです。
- 会話形式で読みやすい。
- 基本的な用語説明もされている。
特許に関する書籍なので、「文字」が多く「絵」が少ないのがデメリットです。特許に関する堅い内容なので、仕方ないですが、図とかがあるともう少し読みやすいのかな~と思います。視覚的に情報が入ってきて、理解しやすくなるので。図はありませんが、会話形式で堅い内容が少し和らいでいます。
CAD
CADは「Computer Aided Design」の略で、コンピュータに設計の支援をしてもらうことです。通称「CAD:キャド」と呼ばれています。機械用、建築用、電気用、土木用など多岐にわたって設計の支援をしてもらえます。
このCADは2D CADと3D CADに分類されます。
- 2D CAD
- オートデスク㈱のAutoCADが有名。
2Dで2次元で立体表現する方法。製品や部品は私たちの目には3次元上で見えます。この3次元を平面の紙の上でそのまま立体で表すことは難しいです。そこで立体を他のヒトに伝えるために3方向からみた平面図で教えます。「正面・平面・右側面」の3方向からみることでヒトはおおよその立体を把握できます。この設計の指示を2D CADと呼んでいます。 - 3D CAD
- 2D CADでは立体をヒトに伝えるのに限界がでてきます。そこで登場したのが3D CADです。平面上だけでは表すことができない立体を簡単に表現してもらえます。近年は特に曲線を描いてデザイン性も複雑な製品や部品が多くなってきたので、3D CADは重宝されています。また、設計してすぐに3次元でコンピュータに表されるので、視覚的にも大変わかりやすいです。ただし、3D CADはコンピュータに負荷をかけるので、性能がよいコンピュータが必要になります。
構造設計をする上で、2D CADも3D CADも両方使います。明確なすみ分けは難しいですが、仮にすみ分けるとしたら下記のようにわけることができます。
CADソフトは多数販売されています。
2D CADで有名なソフトは次のとおりです。
EPLAN Japan公式ブログによると2D CADソフトの普及率は最もよいのが「Auto CAD」ということです。
2D CADをスクールなどではじめるのであれば、まずは「Auto CAD」。無料で少し2D CADを使い場合は、インストール・使い勝手がよい「Root Pro CAD free」がオススメです。
CADを始める場合は書籍よりスクールが良いです。2Dの場合は独学でもできるのですが、ソフトのコマンドが多く使いこなすのが難しいです。
私自身は書籍で勉強していたのですが、CADの書籍を読む場合、画像が多いのですがそれの画像が小さくて見にくかったりしたので大変勉強しづらかったのを覚えています。3D CADは実際に講習を受けてならったのですが、実際の操作をその場でみて確認しながら進めることができましたので、CADの場合はスクールがオススメです。
ただし、AutoCADは次の点で注意が必要です。
- 複雑なツールがない安価なAutoCADLTの新規販売がなくなった。
- ライセンスが永年継続ではなく、サブスクリプションに変更。
- サブスクリプションの価格が毎年高くなっている。
- ネットワークライセンスがなくなり、個人ライセンスのみになる。
今、メッチャAuto CADの改悪が進んでいるよ。。。
僕の会社でもCADソフトの変更が進められてるよ~
有料版で比較的AutoCADと操作性が似ており、ライセンスが永久版が「IJCAD」がオススメです。個人カスタムも十分にできますので、よりAutoCADに似せて使うことができます。
ただし、起動がAutoCADと比べて遅いのがデメリットです。遅いといってもコーヒーを入れる間やトイレに行く間には十分開いているので、少し休憩を挟んで待てばストレスフリーで使えます。
3D CADで有名ソフトは次のとおりです。
- Solidworks(ダッソー・システムズ社製):有料
- CATIA(ダッソー・システムズ社製):有料、自動車業界必須
- PTC Creo Parametric(PTC社製):無料版と有料版有り
- Fusion 360 (オートデスク社製):無料版と有料版有り
3D CADで普及率が最も高いのは、 EPLAN Japan公式ブログによるとこちらも「AutoCAD」のようです。私自身は「SolidWorks」をメインを使っており、「AutoCAD」は2Dしか使っておりません。
世界で最も使われているSolidWorksとFusion360の違いについて解説しています。違いは次の通りです。
- SolidWorksは企業向けであり、より大規模な設計ができる。
- Fusion360は個人向けであるため、アッセンブリができる部品点数が少ない。
3D CAD初心者はまずはどちらかからはじめれば大丈夫!
自動車業界にいくのであれば、「CATIA」が必須と言われています。実際に私の友人も自動車メーカーの機械技術者として働いていますが、「CATIA」を使っているそうです。
そのほかに機械系の技術者として働いている友人は「SoildWorks」が多いです。実際にAutoCADよりSolidWorksの方が操作はしやすいように感じます。また書籍もネットにもわからないことがあれば一定の解決方法が載っているので、SolidWorksは使いやすいと思います。
さらに近年では、3Dプリンターの普及も目立ってきています。3D CADを使いこなせば、十分3Dプリンターも使えます。また、家庭用の3Dプリンターの質も格段に上がっています。
実際に家庭用の3Dプリンターの比較を行った記事が以下の通りです。初心者はどれを選んだらよいか迷うと思いますので、これがオススメだ!というものを10万円未満の価格購入で記載しております。
次のサイトは、技術者が良く使うけど、はじめてだと使い方がわからない内容を解説した記事です。
私個人としては、最近SolidWorksが「solidworks for maker」というサービスを展開しています。1年という期間で価格がおおよそ18,000円なので、大変魅力です。SolidWorksを勉強したいという方はぜひ使ってください。
料版で1度3D CADを使ってみたいと思っているヒトは「Fusion 360」がオススメです!
比較的、性能が低いパソコンでも動くので触ってみる価値はあると思うよ!
シミュレーション技術
製品開発の期間短縮や試作コスト削減のためにシミュレーションはよく使われます。そしてこのシミュレーション技術はITが発達した今、大変便利なツールになっています。
シミュレーションには様々な種類があります。
- 構造の応力を確認する応力解析。
- 筐体に入れた電子部品の温度を調べる熱解析。
- 光学解析(レンズや反射板)
- 流体解析(管を通る水の流れや水圧の確認をする)
構造設計に必要なシミュレーション技術は、応力解析。
また構造設計の中の筐体を設計の場合、中に熱に弱い電子部品を入れたりするので、筐体の放熱性を確認するために熱解析を理解していると大変便利です。
シミュレーションを使いこなすメリットは以下の通りです。
- 開発期間の短縮
- 試作費の低減
- いろいろなバリエーションをすぐに試すことができる。
たとえば、板金の強度を考える場合、板厚か折曲のどちらのほうが、より強度アップしているかを実機を使わずに試すことができます。製品開発のフローでは、「フロントローディング」と呼びます。
フロントローディング開発とは、、、
設計の上流、つまり実機を使わずに「品質・コスト・開発納期短縮」を開発の仕様要求に合致させることで試作の回数を減らして開発費用を下げながら開発期間全体を短縮させる開発フローのことです。
逆にシミュレーションのデメリットはなんでしょうか?
- シミュレーションを使いこなすまでに実機との整合をとる必要がある。
- ある程度性能が良いパソコンを使わないと、シミュレーションの途中で失敗したり、シミュレーション開始まえに固まったりする。
- シミュレーションソフトが数百万円と非常に高価。
シミュレーションを導入するには少しハードルがあるけど、今後を見据えると絶対学んでおいたほうがいい知識になるよ!
>>【開発期間短縮を解説!】構造設計者がシミュレーションを習得すべき理由と使い方2選
を参考にしてね!
構造設計者がシミュレーションを行うときのポイント
シミュレーションと実機の結果のシビアに合わせないとしないこと。シビアに合わそうとすれば、かなり細かい設定が必要となる。細かい設定はシミュレーションの時間がかかり、結果として実機測定をしたほうが早くなる可能性がある。
構造設計者がシミュレーションを行う場合は、6~7割の精度を求めるようにして大まか、かつある程度正しい結果がでるような形で運用すべきである。
今はヒトがすべてのパラメータを決めて計算だけをコンピュータにさせている状態です。
今後は、「ヒト×AI×CAE」が製品開発をしていく上で重要になってきます。(出典:解析塾秘伝 AIとCAEを用いた実用化設計[書籍])
新しい開発を行う場合は、3Dモデルなどが何もないので、ヒトの手が必要となる。なので、ヒトがまずは仕様を決定させる。そのあとはAIとCAEを使って「新しい製品の創造」と「実測に近い理論結果」をうまく反映させることでよりよい製品が誕生する。
AIツールでCAD関連はまだまだ発展途上ですが、AIチャットや画像生成AIツールの精度はOpen AIによって各段にあがりました。
構造設計者がまずははじめるべき、AIツールについて紹介していますので、読んでみてください。
今からAIに触れて慣れておこう!
品質に関わる知識・技術
構造設計おいては、品質も重要な項目です。構造設計に必要な知識・技術は次の2点です。
- 試験方法
- 管理方法
構造設計をした後の製品の評価や公差の管理方法がメインとなります。それぞれの内容はこれから解説していきますが、まず品質の勉強をするのであれば「QC検定」がおすすめです。「試験方法」や「管理方法」についても詳しく記載されていますので、勉強をして知識を蓄えるのに持って来いの検定です。
QC検定のくわしい内容はおすすめ参考書は「設計者も本当に役立つおすすめ資格4選【設計歴10年の技術者も評価アップ!】>>」で解説していますので、気になる方は読んでみてください。
試験方法
試験方法の知識・技術と問われると何を思い浮かべるでしょうか?構造設計者にとって必要な試験方法の知識・技術とはここでは次のことを指します。
- 電気用品安全法に記載されている必要な試験方法に関する知識
- JISや各工業団体に記載されている必要な試験方法に関する知識
- 試験を行うための試験装置を扱う技術
- 製品の耐久度をはかるための試験方法に関する知識
電気用品安全法・JIS・耐久度試験
電気用品安全法やJISは法や規格に分類されます。
この法や規格に適合しているかどうかを調べることを「型式承認」と呼びます。この型式承認に必要な試験を「型式試験」と呼びます。また、一方で「型式認証」と呼ばれるモノもあります。
- 型式承認
- 経済産業省に申請および認定。ガスメーターや電力量計など計量関係に関する法律で定められている製品に対して、その製品の型式を承認する制度。
- 型式認証
- 国土交通省に申請および認定。自動車関連の認証で安全の適合性などの審査を受ける制度。
型式承認を受ける場合の試験を型式試験と呼ぶが、JISなどでは「形式試験」と呼びます。その定義は、次のとおりです。構造設計者は「形式試験」という呼び名を使って良く製品の試験を行います。
形式試験とは、、、、、
製品の品質が設計で示す全ての特性を満足しているかどうかを判定すえうための検査。製造設備の新設および変更、生産条件の変更などを行ったときに実施する検査(出典:JISマーク表示制度 JIS登録認証機関協議会)
また形式試験を行う場合、試験内容の把握が重要です。
- 製品の取付部の強度がしっかり確保されているか確認が必要。
- 屋外で使用するなら、雨・湿気・紫外線の劣化などの確認が必要。
- 計量であれば、正しく測定できるか確認がいる。
- 電気製品であれば、感電しないかの確認が必要。
試験内容を把握していないと、開発製品に対して、今回どの試験を行う必要があるかを判断できない。判断できなければ、品質不足だけでなく、過剰な品質となっていた場合は製品のコストアップにつながるので、適切な試験項目を選択する必要がある。
ここまでは法や規格に基づいた試験内容について解説してきましたが、製品の実際に使われる環境は形式試験だけでは測定できない場合があります。
- 雨が激しく、周囲温度が高い複合環境である。
- はじめは微振動がないと思っていたが、実際に製品を設置すると24時間微振動が続いているといった想定していない環境である。
このように複合環境や想定しきれない環境では、設置後の製品がどのような動きをするか考えるのが難しくなります。
想定外の製品の動きを把握するためにも、実際に製品を設置して観察をしたり、どんなときに故障するかを過剰な試験を行って確認する必要があります。
試験装置を扱う技術
試験を行う上で、測定装置の使いこなす技術も必要です。当然試験装置の使い方がわからないと試験ができないだけでなく、正しく測定できているか判断ができないからです。
管理方法
構造設計で何を品質管理するの?品質管理というと製造のイメージが強いと思います。
構造設計で品質管理する項目はズバリ公差です。公差管理の重要性は次のとおりです。
- 組立がしやすい。
- コストアップの要因になりにくい。
組立については各寸法公差を厳しくするほど、組立による干渉(ぶつかり合い)がなくなるので、たくさん製品を組み立てたときに組みやすいです。
一方でコストについてですが、なぜコスト管理するとコストアップの要因にならないのでしょうか?
回答は次のとおりです。
組立の都合上、必ず公差を存在するが、公差厳しくしすぎると公差を厳しくしたところのみ丁寧に加工する必要があり、そのため時間がかかり、コストアップの原因となる。
構造設計において、公差管理は需要な管理ポイントとなります。
構造設計以外で役立つ知識・技術
構造設計以外で役立つ知識・技術といえば下記の3つが特に重要です。
- 英語
- 簿記
- 教える技術
英語
英語は、現在では小学生から学んでいますので、これからの国際社会を生きていくうえで必要なことはよくわかります。
特に必要な技術は会話(コミュニケーション)です。日本人であれば、ある程度文法ができます。さらに現在はインターネットの力を借りれば翻訳もある程度してくれますので、メールや資料を読む分には困ることがかなり少ないです。
でも、会話となると話は変わってきます。タイムリーに話の内容が変わってますので、翻訳をしている時間がありません。なので、英語で会話できるレベルにしておくこと大変重宝されます。
会話ができるようになるには時間がかかります。まずはTOEICからはじめると良いです。
簿記
簿記が必要な理由は次の通りです。
- 自社および協力業者の業績を数値上で把握できる。
- 材料原価の仕組みがわかる。
- コストの把握できる。
くわしくは「【構造設計者も簿記知識は必要?!】簿記が役立つ3つの理由とオススメ学習法の紹介 >>」に理由を開設していますので、また読んでみてください。
簿記はお金に関する基礎知識が身に付きますので、経理分野の方だけでなく構造設計者も十分に学ぶ価値はあります。
教える技術
構造設計者にとって教える技術がアップすると次のメリットがあります。
- 教えることで自分が培った弱い部分がわかる。
- 教えることで、本当に自分がしなければいけない仕事をする時間を確保できる。
「教える」とは得た知識・技術の一番のアウトプットの場です。新入社員や若手技術者に教えていく中で、どうしてもあいまいな回答になる部分が少なからずでてきます。あいまいにしか回答できない部分が、今後自分自身として鍛えていく上で必要な知識・技術となります。
ただし、教え方にも技術が必要です。いくら知識・技術があっても教え方を間違っていれば新入社員や若手技術者は理解をしてくれません。なので、ある一定以上の教える技術は必要なります。
教える技術は日本人は特に弱いので、意識して鍛えた方が良いです。
自分のためにも相手のためにも良い効果をもたらせることができます。
プログラミング
構造設計者でなぜプログラミング?!という方もいるかもしれません。
これからさきITがドンドン進んでい行く世界で、ITの元となっているのが、プログラミング。そのプログラミング知識・技術を向上させるにはメリットがあります。プログラミング知識・技術を獲得するメリットをデメリットも一緒に解説します。
構造設計者である以上、プログラミングを専門としているエンジニアくらいの知識・技術は必要ありません。ただし、基礎を知っているだけでコミュニケーションが取れます。基礎を知らないと一人だけ会議についていけず、後でこっそり調べるという日々が続いてしまいます。
プログラミング初心者は独学進めることは、日々の仕事もあり大変です。かといって高額なスクールにも通いたくありません。近年、比較的安くオンラインでプログラミングを学べるサイトが出ています。
「Udemy」だね!
何回もセールを実施しているから、¥12,000の講座が¥1,200になったりするから、気軽にプログラミングが始められるね!!
youtubeでもプログラミングを学ぶことができますが、体系的に学びにくかったりしますので、「Udemy」はオススメです。そのほかに詳しく学習を知りたいヒトがいれば、下記の記事を読んでみてください。プログラミングを必要なさらなる理由もわかります。
【10年構造計者が語る!】設計者でもプログラミングをオススメする理由3選と勉強法! >>
プレゼン技術
最近の構造設計者はプレゼンスキルも必要になります。いくらよい開発設計書を書いても、その内容をうまく伝えないと製品化されることはないからです。開発設計書もよい製品を作るためにまとめた資料になりますが、製品が作られないと意味をなしません。そのうえ、設計レビューでも相手を納得させないと製品化を進めることができないので、大切な技術です。
プレゼンに必要なスキルは次の3点です。
- 文章ばかりにならず、相手を説得させるために図表を用いる。
- 色の数は3色程度にし、原色以外の色を使うようにする。
- パワーポイントの場合は、アニメーション機能を用いない。
これらの内容をさらに学びたい方は次の書籍をぜひ読んでみてください。
知識・技術を使ってアイデア・思考をする方法
知識・技術だけ増やしても使いこなす術をみにつけていなければ、宝の持ち腐れです。
知識・技術を使いこなす方法は次の3つです。3つの考え方を満遍なく鍛えて、蓄えた知識・技術を使いこなすことができれば、「できる社員」や「転職の将来」も見えてきます。
- 地頭力
- ロジカルシンキング
- ラテラルシンキング
記事①:【ビジネスマンに必要な能力を解説!】頭角を現す社員の共通事項5選『新入社員にもオススメ!』>>
記事②:【今後の社会人設計プランは大切!】設計者として未来を考えるための思考法3選とその後の活動法について >>
地頭力を鍛える
地頭力は次の3つの力を指すことが多いです。
- モノ事を全体でみる力
- 結論からモノ事考える力
- モノ事を単純化する力
地頭力は、モノ事を俯瞰して全体を見たり、局所的に見たりと、色々な角度からモノ事を観察して考える力です。地頭力を鍛えることで、今持ち合わせている情報を使って問題解決できるようになります。
なので、技術・知識を増やすと地頭力を持っていることで、ドンドン問題解決ができます。
この地頭力は当然構造設計者にとっても必要な能力となり、鍛えることもできます。
>>【初級設計者に必見】設計知識より考える力が重要な3つの理由と鍛え方を紹介
ロジカルシンキングを鍛える
ロジカルシンキングは、1つ穴を地中深くまで掘り進めるイメージから「垂直思考」と呼ばれたりします。1つも問題を根底から解決するのうってつけの思考法です。
ロジカルシンキングを身に着けると次の効果があります。
- 既成概念にとらわれにくくなる。
- 筋が通った考えができ、相手を納得させられる。
- 短時間で具体的な行動につなげることができる。
ロジカルシンキングは、構造設計者だけでなく、ビジネスマン全員に必須の能力といえますので、着けた方がよい思考法といえます。
>>ロジカルシンキングをマスターして活躍できるビジネスマンになる方法【学習支援も紹介!】
ラテラルシンキングを鍛える
アイデアを出すための発想法として、よく知られているのが、ラテラルシンキングです。
ロジカルシンキングが垂直思考といわれているのに対して、ラテラルシンキングは「水平思考」と呼ばれています。固定概念や常識に縛られずにモノ事を考える力です。
ただ、アイデア発想というと、何人かの天才だけが出しているような感覚になります。でもアイデアの発想には方法があります。奥は深いですが、基本的には3ステップの発想法となっています。
- 問題の把握をする。
- 問題を解決するアイデアをたくさんだす。
- アイデアをまとめたり、方向性を変えながらカタチにし、そのカタチを実践する。
>>【アイデア発想力を鍛えろ】ラテラルシンキング実践の簡単3ステップを紹介!
最後に:実践に役立つ知識・技術を得よう!
今回の記事のまとめです。
- 構造設計が必要な知識・技術は「設計企画」・「コスト」・「構造設計」・「品質」と「構造設計以外の知識・技術」がある。
- 知識・技術を生かすには、「地頭力」・「ロジカルシンキング」・「ラテラルシンキング」も同時に学ぶ必要がある。
- 「設計書・材料・コスト・品質・特許」などCAD操作以外にも学ぶべき内容がたくさんある。
今回の記事を元に構造設計に必要な知識・技術を身に着けて実践に役立ててほしいと思います。